きし内科クリニック通信2026年1月号(120号)【 幼児に流行し続ける 「溶連菌感染症」 】
きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第120号を発行いたしました。
2016年4月に開院した当院も、2026年で11年目を迎えることが出来ました。これからも宜しくお願い致します。
今年の10月から大流行を起こしたインフルエンザ感染症も、年末は少し落ち着きをみせているようです。
しかし例年3学期にはいると再びインフルエンザ患者数が増加する傾向がありますので、引き続き注意が必要です。
本号では、溶連菌感染症のお話をいたします。
下図は、千葉市感染症情報センターによる、過去5年間の溶連菌感染症の定点当たりの患者報告数、直近4週間の年齢階級別の患者報告数をグラフで示したものです。
溶連菌感染症は、A群β溶血性レンサ球菌という細菌によって起こる感染症です。「溶連菌」とは「A群β溶血性連鎖球菌」の略語であり、以下溶連菌で統一いたします。
好発年齢は4歳~14歳の小児が中心です。保育園・幼稚園・小学校など、集団生活をしているお子さんに多くみられます。一般的には3歳未満では症状が軽度なことが多く、母子など距離が近い場合は成人でも感染します(図下)。
冬~春に患者が多いといわれていますが、近年は図上のように通年でまんべんなく患者が発生しています。
主にのどに感染し、急な発熱とのどの強い痛みが特徴です。潜伏期間は1~5日(多くは2~3日)になります。
主な症状は、「38℃以上の急な高熱」「のどの強い痛み」「のどの赤み、白い膿」「体や手足の細かい赤い発疹」「舌が赤くブツブツするいちご舌」「腹痛、吐き気」になります。咳や鼻水は少ないことが多いのが特徴です。
感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染と、口や鼻に触れた手・物を介した接触感染になります。
溶連菌の診断は、のどのからの迅速検査キットで行います。
診断がついた場合は、抗菌薬(抗生物質)5~10日間の内服治療を行います。
熱が下がって元気になっても、処方された薬は必ず最後まで飲み切りましょう。
途中でやめてしまうと、再発や合併症(糸球体腎炎、リウマチ熱)の原因になります。
合併症が起こっていないかどうかを確認するため、溶連菌に感染した幼児は治療1か月後に尿検査を行うことが推奨されています。
登園・登校の目安は、解熱してから24時間以上の経過になります。
冬は感染症が多くなる時期です。「こまめな手洗い」「咳があるときはマスク着用」「インフルエンザ予防接種」「高齢者はコロナ予防接種」を行い、感染予防に努めましょう。
